アトピーは対処さえすれば予防できます

赤ちゃんの炎症を防ぐために~アトピー性皮膚炎の基礎知識~

赤ちゃんのためにアトピーと炎症について知る

赤ちゃんをアトピー性皮膚炎の炎症から守るためにはアトピーで何故炎症が起こるのかというメカニズムを理解することが重要です。ここでは、そんなアトピー性皮膚炎と炎症のメカニズムについて紹介していきます。

炎症が起こるメカニズム

炎症は何故発生するのですか?
人の体には様々な抗体があり、その中の一つにlgE抗体と呼ばれる抗体があります。lgE抗体は抗原(アレルゲン、あるいはアレルギー物質と呼ばれるもの)から体を守るために存在するのですが、アトピーの場合、lgE抗体の数が増し、アレルゲンに対して過度に働いてしまうのです。その結果、炎症を起こしてしまい、炎症した箇所から「ヒスタミン」が放出されます。このヒスタミンが痒みのもとなのです。更に、ヒスタミンはlgE抗体をさらに増加させてしまうため、痒みと炎症の悪循環が生じてしまいます。これがアトピーと炎症のメカニズムです。

特に赤ちゃんは炎症を起こしやすい

赤ちゃんの肌はアトピー性皮膚炎でなくても炎症を起こしやすくなっています。その理由は、赤ちゃんの肌が弱いからです。赤ちゃんはまだ肌が薄く、乾燥から肌を守るための皮脂のバリアも弱い状態です。そのため、ボディソープなどで体を念入りに洗った結果皮脂のバリアまで落としてしまうので乾燥肌になりやすく、その結果肌の炎症を起こしてしまいます。また、清潔な状態を保てない場合でも汗疹ができてしまいますし、ストレスによってホルモンバランスが乱れることによって湿疹が発生することもあります。そのため、赤ちゃんの湿疹を防ぐのは非常に難しいのです。

アトピーによる炎症を放置すると

赤ちゃん

アトピー性皮膚炎によって生じる痒みは、炎症による乾燥肌とヒスタミンが原因です。そのため、赤ちゃんの肌の保湿は気をつけて行ないましょう。ここでは、肌が乾燥することによってどのような症状に発展するのかを紹介していきます。

肌の乾燥が起こる

アトピーによる炎症を放置すると、まずは肌の乾燥が起こります。見た目はそこまで気にならないかもしれませんが、注意深く触ってみると、乾燥している部位が少しガサガサになっています。これが乾燥肌です。乾燥肌は部屋の空気が乾燥していたり、お風呂上がりに体温が上がると痒みを伴い始めます。これがアトピーのごく初期の症状です。

痒くなり赤くなる

乾燥肌を放置すると、痒みが伴い始めます。そして、かいてしまうことにより炎症は悪化してしまい、炎症が悪化することによって痒みのもととなるヒスタミンはさらに増加し、痒みは更に増してしまうという悪循環が発生してしまします。その結果、掻いた箇所が掻き傷でヒリヒリと痛むようになります。この痒みはストレスを感じた瞬間や食事後、お風呂あがり、睡眠時など決まったタイミングに発生することが多いです。

引っ搔いて血が出る

乾燥肌の場所を掻き続けることにより皮膚が弱くなり、やがて湿疹が発生します。この湿疹を掻きむしることで血がにじみ出やすくなってしまいます。この湿疹は掻くのを堪えない限り治りませんが、赤ちゃんは自制せずに掻いてしまいます。その結果、かゆみと痛みが常に体を蝕むようになってしまいます。これがストレスとなり、アトピーをさらに悪化させる要因となってしまうのです。

肌がただれるようになってしまう

乾燥肌を放置し続けた結果、最終的に皮膚の表面は赤くただれ、体液がにじみ出るようになってしまいます。また、体液がかさぶたになり炎症箇所がゴツゴツとした状態になることもあります。そして、掻き傷によってやけどを追ったかのような見た目へ変わってしまったにも関わらず、やはりまだ痒みは続きます。その結果、日常生活に支障をきたすレベルでの痒みが発生することもあります。

炎症とアレルギーとの関係

赤ちゃんのアトピーとアレルギーは関係があると聞きました。どのような関係があるのですか?
特に0歳児や1歳児では、卵や牛乳などの食物アレルギーが起こりやすく、アトピー様の皮膚症状が出ることがあります。しかし、アトピー素因を持たない体質であれば、年齢が大きくなるにつれて食物の影響は少なくなってきます。最近、増加している成人型アトピー性皮膚炎では、食物が原因になっていることはあまりありません。この場合、ダニやホコリなどのハウスダスト、化学物質が原因になっています。この原因物質は赤ちゃんにももちろん作用するため、気を付けなければなりません。親御さんがアレルギー体質であったりアトピーを持っていたりする場合は、赤ちゃんもその素因を受け継いでいる可能性が高いので、早めにアレルギーやアトピーの対策を行ないましょう。

赤ちゃんのために今すぐやめるべきこと、はじめるべきことがある

赤ちゃんは外界の刺激に対して心身に刺激を感じやすく、ストレスも掛かりやすいので環境作りが重要になってきます。アトピーやアレルギーを発症させないために、できることを考えていきましょう。

赤ちゃんがアトピーになりやすくなる原因

発熱の回数
1歳半までに38度以上の熱を出した赤ちゃんは、アトピーを発症しやすいというデータが出ています。3回以上の発熱があった場合のアトピー発症率は、発熱0回の場合と比較しておよそ3.3倍、1~2回の発熱があった場合は、およそ2.6倍になっています。1歳半までの発熱回数がアトピー発症の要因になることは、まだあまり認知されていません。しかし、赤ちゃんの体質によっても発熱のしやすさには差があるため、あまり神経質になりすぎないようにしましょう。
母乳をあげる時期
海外では赤ちゃんのアレルギーを予防するために、生後4~6ヵ月間の完全母乳育児が推進されています。しかし、厚生労働省の調査では、「母乳開始時期が早いほど、アトピー発症率が高くなる」というデータが出ています。生後0日目から母乳を与えた赤ちゃんに比べて、開始日が遅れた赤ちゃんは、その分アトピー発症率が下がっているのです。また、人工乳のみを与えた赤ちゃんは、生後0日目から母乳を与えた赤ちゃんに比べてアトピー発症率が半分以下でした。海外と日本の研究結果には大きな違いが出ているため、まだまだ調べる必要があるでしょう。母乳で育てるかどうかということは、子育て全般に関わってくる問題でもあるため、メリットとデメリットを理解した上で決めると良いかと思います。
離乳食の進め方
アレルギーの原因としてまず考えられるのが、食物でしょう。1つの料理には複数の食材が使われているため、どの食材に対して症状が起こっているのかを特定するのは難しいです。アトピーやアレルギーが気になる場合は、卵や小麦、牛乳などが含まれていない離乳食を選ぶようにしましょう。アレルギーを回避するためには、1度に多くの食材を与えたり、立て続けに与えたりしないように注意します。そして、どの食物を摂取したか常に日記に書き残しておくと安心です。

赤ちゃんは体が小さい分、アレルギー物質に対する反応も早く出ます。また、何が原因でアレルギーやアトピー症状が起こるかは体質によっても異なるため、出来る限りはじめの内に手を打つことが大切です。原因になりやすい物質を除去して、食生活や住環境などを整えていきましょう。

少しの気遣いでアトピーから赤ちゃんを守る

掃除機を1日1回かける
ホコリの多い室内は、ダニやカビを増加させてしまいます。少なくとも1日1回は掃除機を掛けるようにしましょう。時間がない場合は、赤ちゃんが長く過ごすリビングや赤ちゃん部屋を重点的に掃除するようにします。近年は、ダニやホコリ、ハウスダストを効果的に吸引してくれる掃除機が開発されています。掃除機の買い替えを考えている人は、アトピー対策の観点から掃除機を選ぶと良いでしょう。ホコリやダニが棲み着きやすい絨毯やカーペットをこまめに洗濯することも大事です。
換気をして快適な室内環境を作る
室内の湿度が高いと、カビが増殖しやすくなります。理想的な室内環境は、湿度40~60パーセント、室温は夏場26~28度、冬場は20~23度とされています。特に赤ちゃんのいる部屋には、温湿度計を設置して清潔さと快適さを常に保つようにしましょう。エアコンや暖房器具を使用しているときは、定期的な換気も必要です。冬場は、窓に付いた結露を拭き取ることも忘れないようにしましょう。
体を優しく洗う
赤ちゃんの肌を洗うときは、手で優しく洗ってあげましょう。石鹸やシャンプーは赤ちゃん用のものか低刺激のものを使用します。肌の状態が良くないときは、固形のベビー石鹸がオススメです。洗った後は十分に洗い流し、肌に石鹸が残らないようにしましょう。

環境を整えることで、赤ちゃんを色々な刺激から守れます。まずは、1にも2にも清潔を保つこと、体が必要としていないものや刺激になる物質を遠ざけることが大切です。

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